恋するデザイン図鑑

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2008年 04月 09日

international business machines社風のクリエイティブ

一昔前、人は見た目が9割と言われていたが、最近はもう見た目で10割、つまり第一印象ですべてが決まってしまうらしい。ますます油断もスキもない世の中になってしまったようだ。初対面時、ペラペラ話したり、フムフム聞いたりするのとは別に、人の脳は他方で意外と原始的な(動物でいえば他の種族とバッタリ出会ったりした際のとっさの判断、つまりこいつは有害か無害かを瞬時に決定し次の、飛びかかったり、逃げたり、の行動に移るための判断を与える)部分がピコピコと活発に活動しているそうだ。この「種の進化」のなごりがヒト科といえども、第一印象で相手を食える奴とか食えない奴とか、決めてしまいがちなのである。

b-to-bのソリューション広告は、ユーザ・ハッピネスが決め手

ところで、見た目で決まると言えば、その最たるものの一つが広告。従って、その外見には気を使うものである。特に、b-to-bのit業界では新しいテクノロジ上で生まれる商品やサービスがほとんどで、これら新技術に依拠したサービスやソリューションを「絵説き」によって、つまり絵的に説明し、理解してもらおうとすると、複雑になったり、窮屈になったりで、外見までなかなか手が廻らない。少なくとも、「絵説き」よるアプローチは、見た目まで気を使う余裕を与えてくれない。
そこで、クリエイティブディレクターは考える。この分野での成功の鍵は、表現の落し所を「ユーザのハッピネス」とすること。そして、その「幸せ」をどうやってサービスに結び付け表現するかにかかっていると。言い換えると、顧客の笑顔の数だけサービス(つまり広告)の種類もあるはずである。
また、世界のit分野のリーディングカンパニーの多くがこの路線を追求しており、中でもibmのそれは、今日まで圧倒的で一貫した存在感を僕達に見せつけてくれている。ワールドワイドのためなのか、日本人的感覚には?のクリエイティブも中にはあったが、着地点はいつも顧客=成功する企業や成長を続ける会社と働く人々の幸福なのである。

◎日本ibm「スペシャルになろう。what makes you special? 」雑誌広告シリーズ

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※最近のi社は「スペシャルに」から新しいシリーズ「コントロールを取り戻せ。take back control」を展開中。相変わらずこのクリエイティブの切れ味も抜群。例えば少し前の雑誌・日経情報ストラテジーには「コントロールを」が、これでもかとばかりマルチ展開されていて、質の高さは競合他社を圧倒している。
※余談で恐縮だが、上記のアートディレクションで注目して欲しいのは、ここで使われているオレンジ(中)とシアン(右)。
このカラーのトーン&マナーもまた一流の証明である。おそらくこのイケてるadは悩むことなく、無意識の内にオレンジを指定し、次は当然のようにシアンを使ってしまったのではないか。参考までに僕の作品も並べておく。

◎elnes works

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そこで、企業イメージを高めるi社ライクなクリエイティブへの試み

アウトソーシング企業のネットワーク監視運用サービスカタログ制作にあたり、ユーザ・ハッピネスをテーマにしたイメージビジュアルの提案をさせていただく機会に恵まれたので、そのサムネールを事例として提示したい。

◎商品(サービス):ネットワーク監視運用サービス
◎商品概要:オペレーションログから障害情報まで、監視運用情報をポータルサイトからリアルタイムに提供しネットワーク監視の「見える化」と、一元管理を実現している。監視サービスのメニューも、顧客が自由に選択でき「必要な機能だけを最適は仕様で」提供するために、3つのラインアップで構成されている。
◎クライアント
◎ソリューション:当サービスの採用により、煩わしい監視業務からお客様を解放、マンパワーを本来の業務に投入できるため、結果的に情報システム部門の効率向上に貢献する。→顧客をハッピーに。
◎クリエイティブの方向性
・ サービスの特長である3つのラインアップをシンボリックに表現すること。
・ このシンボルと顧客の関係性をテーマにしたビジュアルを開発すること。

そこで、まず3つのラインアップのアイキャッチ化したもの。
最初のアイデアレベルだが、3つの引き出しとかボックスのようなイメージとして。

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次に、このシンボルをフューチャしたサムネールを3種類作成したのがこれ。(写真はレンタル)
・ a:i社風なサービスがわが社にもやって来た編
・ b:サービスが地上に舞い降りる編(新しさ、登場感訴求)
・ c:3つのラインアップを主人公にすると編

◎案a:サービスがわが社にもやって来た、i社風な編


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使う直前の、顧客が幸せになる一歩手前の顧客と商品の関係をユーモラスな表情で表現。役員から若い社員まで整列して、仰々しく当サービスを出迎えています。「成長する企業が選ぶ・・・」のコピーから、かれら4人組は成長する企業の人であることがわかります。このカタログを手に取った情報システム部門に勤める担当者も、従って「これは自分の会社に関わること」だと理解し、ページを開くことになります。

◎案b:サービスが地上に舞い降りる編  ◎案c:3つのラインアップを主人公にすると編

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なお、結果的にはこれらa、b、cともにNGとなった。訴えるべき優先順位をよく理解していなかったためだが、個人的にはaは、i社風に近づいたような気がするのだが、どうだろうか。
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# by elnes | 2008-04-09 23:50 | ケーススタディ