恋するデザイン図鑑

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2008年 04月 26日

自らのそれとは、180度も彼方にあったリーダーの資質

買収した英国の子会社から次期社長を迎えてしまった日本企業

つい2~3日まえの新聞に、新社長を買収したイギリスにある子会社から迎えるという英断?を下した日本企業のことが載っていた。(日本経済新聞 apr24,2008)記事を読んでみると、何と買収された側は、買収を仕掛けた日本企業よりもかなり大きい会社だったそうだ。でも、会社の大小に興味があるのではなく、これからますます厳しくなる(という枕詞が、いつになっても付いてまわる)グローバルなビジネスの舵取りとまかせられるような逸材を、子会社の、それも海外から見つけて来たということにある。

当然、日本企業としても、それなりの人材は豊富に、しかも次はこの人かあの人、次の次は彼らボードメンバーの中から・・・・などとしっかりとした人事構想もあり、戦略的にも半ば固まっていたであろうことは想像に堅くはない。一旦それらをなかったことにして、いきなりイギリス人がやって来たとなると、このイギリス人はかなりの優れものに違いないのだろう。

b0135738_19164536.jpg◎西武百貨店 新聞広告1993年
(TCC広告年鑑1993 p121)

今までのことはなかったことにしようっと。

15年も前のTCC年鑑から引っぱりだして恐縮
だが、失敗したり、人生がうまく行かない時に、
心の癒しを求め、こっそり眺めていたサン・アド
が作った大好きな作品の一つ。今でいう「人生
をリセット」広告。
それを何故、デパートが広告したのかは、依然
としてナゾである。


ところで企業を取り仕切り、その目標実現に向かって社員の指揮をとるリーダーとは一体全体どんなに優秀で、どんなタイプの人間なのだろうか。指導者やリーダーとはまったくの正反対に位置し、もっぱら付和雷同分子として自他ともに認める僕にも、な~んだ、そういうことだった訳ね?!とナットクのリーダー資質の見分け方をある雑誌にみつけておいたので、ちょっとご紹介してみたい。

伸ばして、減らして、抑える。これがリーダーへの正道

以下は、去年の今頃発行の雑誌Think(spring 2007 no.21)「幹部候補のための行動トレーニング」からの抜粋。
リーダーとして身につけるべき、あるいは抑えるべき行動を「リーダーシップ・スタイル・インベントリー」と題して紹介している。まず、リーダーには伸ばすべきものと減らすべきもの、そして抑えるべきものと、三種類の基本的な行動分野があるそうだ。ここでポジティブな行動が1に対してネガティブが2と、二倍もあることに着目しておこう。何やら、リーダーとは発揮することよりも、自制することの方が大切らしいことが何となくわかってくる。そして、これらの3種類の行動分野にはそれぞれ4つの具体的な行動指針が展開される。

で、最初に(A)伸ばすべきもの=建設的行動とは何かと言うと、1)人間尊重:人に興味を示し、人を思いやり、人の向上を後押しすること。つまり、人を批判することなく、ありのままを受け入れる。人は成長できるという信念を持ち、人に対する無条件の好感と許容性を持っていること。また、他者の可能性をのばすためにサポートにも積極的であること・・・などなど。いきなり最初から読者を崇高な宗教的な境地へと導いてくれる。次に2)協調、3)自己実現、4)達成と続く。字面からはよく目にする熟語でしかないが、その中身となると、その行動レベルの厳しさは半端ではない。例えば2)協調の項目では「人間関係の形成&維持に献身的な努力ができること。則ち他者との親しい関係を求め・・・・社交的で自分の考えや気持ちを気楽に人と共有可能になること」とある。ここでも、自分のことさえ満足な処置ができない僕には気が合う人だけとならまだしも、様々な人柄の他人との関係構築に献身的な努力を続けるなんて、それはもう、ありえないとしか言い様がない。

更に苦難の道は続く。2番目の(B)減らすべきもの=受身的行動には5)迎合、6)慣例重視、7)依存、8)回避の4つが。3番目の(C)抑えるべきもの=攻撃的行動としては9)対立、10)権力志向、11)競争、12)完全主義と、それぞれ意味する内容が高いレベルで淡々と記述されている。これらのB&Cで求められるのは、組織にはびこりがちな罠に自ら陥らないことだと自制することの重要さを寄稿者は説いている。これらが説得力を持っているのは、世の中の規範や企業に注がれる眼差しが、企業経営に対してますます厳くなっていて、めくりめくって結局はリーダーの資質に行き着いてしまうからではないだろうか。それも、これまでの実績などという貢献度だけでは済まされない、それとは別の物指しを社会は要求するようになったからではないか。

不思議と近くに一人二人はいる、12の行動指針をクリアしてしまっているような人が。

自慢ではないが僕の場合、B&C分野は全滅だ。この分野に関わることで特に常々指摘されるのは「意見の異なる相手に対してフェアな態度」を取れないことだそうだ。・・・だそうだ、と言うのはまったく自覚したこともなく生きて来たからで、今後もこの不幸は死ぬまで付いてまわるだろう。もちろん、(A)伸ばすべきもの=建設的行動でも、上述したように大の苦手な分野だが、実はちょっとだけ、擦っていそうな項目がないでもない。それはA-3)自己実現。この項目も天をあおぎ見るような内容ばかりで、例えば「人の生きる意味を理解し、人生の目的を明確に持ち、その目的の実現のために柔軟でクリエーティブな努力をする」などと、まるで聖人君主の域に到達しそうなレベルなのだが、こういう行動をとる人は「常識にとらわれないものの見方をし、型にはまらないユニークな生き方をする。健全な自尊心を持ち、さまざまなものに対する幅広い関心と強い好奇心を示す」とある。実に素晴らしい人生だ。で、擦っていそうな所は「型にはまらないユニークな生き方をする」という部分。ここだけは、自信を持って自分のことだと、自慢できる。常識に欠けるユニークさと言われると、それはそれで反論のしようがないことだが。

そんなこんなで、この「リーダーシップ・スタイル・インベントリー」は、なかなかのものだが、かと言ってそこでの12の行動指針はまったくの荒唐無稽かと言うと、不思議なことにマスターしてしまっているような、自分に厳しくても他人にはやさしいような、とても普通の人にはできそうもないことをやりぬく持続する志も、抱擁力もありそうな人が、周りには一人、二人はいるものである。そして、そんな人に会ったりすると、その度どうしたらその人格をゲットできるのか、実にうらやましくもあり、考えてもしまう。

そんな訳で、上昇志向の強い諸兄はぜひThinkのバックナンバーを探して、一度自らをチェックしてみてはどうだろう。
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by elnes | 2008-04-26 23:51 | スペシャル
2008年 04月 22日

人はどう生きるのかを突きつけられる、『存在の耐えられない軽さ』

b0135738_2150571.jpg池澤夏樹さん個人編集による、装丁を含め新鮮なイメージのする世界文学全集(河出書房新社)の第2回配本がミラン・クンデラのこの物語「存在の耐えられない軽さ」だ。
まず何よりも、西永良成さんの翻訳が素晴らしい。クンデラがこの物語にかける実験的とも言える精神世界に、濃密で独特な、アートディレクター的に言うとオリジナリティ豊かな装飾を施すことに圧倒的に成功している。

ところで、このチェコスロバキアの物語を読み続けるうちに一本のギリシャ映画を思い出してしまう。誰か覚えているだろうか、若き日の池澤夏樹さんの字幕によるテオ・アンゲロプロスの「旅芸人の記録」。どちらも、政治が個人の生活に絶対的に介入する時代に、人はどう生き延びるのか━おまえは、一体全体どっちに転ぶのだ、と僕達の胸のあたりに荒々しく手を突っ込んでくる。そして僕達は、否応なく主人公と一緒にその過酷な、もうひとつの同時代を生きて行くことになる。

社会主義の仮面をかぶったスターリン主義体制下の人々が分断を強制される中で、濃厚で満たされた人間関係を持続することは可能か、人は何を失い続け、最後に残ったものがあるとしたらそれは何か。二組の男女の生き様から、お互いを尊重し協調していくことの一瞬の幸せと永遠の難しさ、この相反する二つを不安定なヤジロベエの両極の重しにして、物語は結末に向かって進んでいく。
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by elnes | 2008-04-22 21:55 | ブック
2008年 04月 20日

美しい言葉に惑わされてはいけないが、

美しい商品の広告には、思いっきり惑わされてしまいそうだ。
今週はbmオーナーならずとも、思わず生唾(なまつば)を呑み込みそうな広告を見つけてしまった。

新しいアルピナB5S。
それが、ただそこにあるだけの、余分なものを極力排除したアートディレクションのパワーに脱帽するしかない。そして極めつけは、写真を左右幅目一杯に伸ばして、断ち切りにし、新黄金比(?)16:10のトリミングで最大限の視覚効果を狙っていることだ。
さあ、これから楽しいドライブの話しでもしようか。

◎NICOLE雑誌広告

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*THE NIKKEI MAGAZINE apr 8 ,2008
※NICOLE AUTOMOBILES CO,LTDは横浜や川崎を主なセールスエリアとするbmw代理店です。


で、同じように左右を断ち切りにしたelnesの作品を、僭越ながら一つ。

◎elnes work

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◎商品(サービス):noda supporting programパンフレット表紙
◎商品概要:カーレーサーのindy5000参戦のための企業協賛を募るのためのツール。
◎クライアント:

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by elnes | 2008-04-20 14:55 | ウィークリーアド
2008年 04月 16日

春にシビれるとは、このことか。midtown blossom

もうずいぶん時間が経ってしまったが、東京ミッドタウンがめでたくオープンして一周年の記念キャンぺーン広告を、最初に銀座線の中吊りで見つけた。

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赤&緑だとクリスマスだが、この2色を少しづつ淡くして植物の生まれたてのようなピンクと若草色にすると、一足飛びに春の色になると言う不思議。そして櫻の下での蓬(よもぎ)もちをストレートに連想してしまう。何かいいことがありそうな予感を胸に、みんなで東京ミッドタウンに行きたくなる、その気にさせる、間違いなく、今週一番のadです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

六本木は、そこで仕事をし生活をするには汚い街である。だから、そこにいるとストレスばかりが増幅してしまう、そんな印象しかない所である。東京のことを日本のゴミ溜めだといって揶揄する友人がいるが、そういう意味では六本木もその一部なのだから仕方がないことかも知れない。

と思うのは、しばらく六本木に仕事場を置き、一日の大半をこの街で過ごした経験がそうさせるのである。そのもっと昔、六本木でずいぶん遊びまわったことがあり、当時は仕事場だった骨董通りから夜遅く行きつけの店に入り、夜が明ける前にタクシーで自宅に帰るような、今思うとまったくムダで恥ずかしいことを繰り返していたのだが、ネオンの灯りと店の間接照明とにやられてしまい、そのままこの街の正体を見ることなしに酔いつぶれてしまっていたのだろう。

それからひととき経って心も身体も入れ替えて、朝から日が暮れるまでこの街で過ごすようになると、たちどころに街の汚さが見えてくる。いつ終るとも知れないじゃまな地下鉄工事、道路の真上を走る首都高とその汚い高架の影になった鋪道などなど。六本木という街は大通りから一本中に入ると、意外なほど静かな住宅街も残っており、昔はそれなりに生活も仕事も平穏にできたようだが、今はもう工事と道路の騒音、酔っぱらいどもが捨てて行った反吐と生ゴミの臭いで、耳も目も息も詰まりそうな街に落ちぶれてしまっている。

そんな六本木に現れたのが、六本木ヒルズだ。オープン当初は、地下鉄の出口からまるでアリのように連なった人々がゾロゾロと地上に現れ、途切れることなくエスカレータに乗ってヒルズに吸い込まれて行く光景を、奇妙なモノでも見るような、ちょっとした驚きの目で眺めていたことを覚えている。仕事場を訪れる人の中にも、せっかくだからと、そっちの方に腰をあげる変わった方もいて、何度か、まったく気が進まないことはおくびにも出さずにではあるが、ヒルズ案内を買って出たりもした。でも消費意欲も消費力もない僕にとって、そこはただ雑多な種類の雑多な店舗が入っているだけのストレスが増殖するだけの場所でしかなかった。そんな目線で見ていたせいなのか、実は密かに期待していたオープン告知のクリエイティブも(村上隆だったと記憶するが)どうでもいいようなチープな印象しか残っていない。
唯一の救いはミュージアムとミニシアターが入ったことだったが、こちらの方も待てど暮らせど触手を動かせるような呼び物もないままに僕の六本木時代が終ってしまったのである。しょせん不動産屋の感覚で呼ぶようなアートも映画も、期待するほうがムリだったのかも知れない。

その点、旧ボーエーチョウ跡地に遅れてできた、このウキウキするようなポスターの東京ミッドタウン。はたして六本木の汚さをうまく隠せたのか、それが問題だ。

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by elnes | 2008-04-16 14:45 | ウィークリーアド
2008年 04月 15日

覗き見する広告

世の中に溢れる情報の洪水の中で、職業的感性に訴える広告類を除けば、人生に、そして生き方にいつの間にか影響を与えているのは、本と映画だろう。
どちらも、そこに登場する人々の生き様や時代を、よく言えば体感することができ、一番素直な表現としては「覗き見」ができるという特長を持っている。他人の人生を覗き見できるとは何と興味深いことか。僕達は、本を読んだり、映画を観たりすることで、自分とは違う世界を、ある時は気楽に、ある時は全身全霊で覗いてしまい、つかの間の喜びや悲しみ、怒りに浸ることになる。

では、そういう覗き見の心理を、b2bサービスの広告にも応用してみるとどうなるか?
試みてみたのが、この作品だ。

◎elnes work
◎商品(サービス):ネットワークサービス・マネジメントIIJ SMF
◎商品概要:企業ネットワークを運用管理するためのフレームワークを提供するサービス。従来は複雑で大きかった人的な
付加も軽減でき、従って、コストダウンも実現したこれからの時代にためのソリューション。
◎クライアント


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このWANには、秘密にしたいワケがある。

(成功する企業のインターネットVPN導入会議・議事録の抜粋)
>主任:VPN設定時間を30%削減できるので、やっぱり(マル秘)でいきますか。

>係長:エンジニアの初期設定コストを(マル秘)は90%も削減するらしいわね。

>課長:(マル秘)が保守コストを50%削減するというウワサもホントみたいよ。

>部長:結局、我が社のインターネットVPNは(IIJ SMF)で決まり!ってワケね?

>全員:あッ、ボスがペロッと言っちゃったよ・・・・ライバルに差をつけるまではconfidentialだったのにネ。

それは、ライバルたちが嫉妬する[運用効率×経済効率]

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
以上が「覗き見」に関係する部分のコピー。読んでお判りのように、このネットワークソリューションの
PRの世界は実際そうなのだが、用語からして難解な印象を与えてしまい、難しいままに
終ってしまう例がほとんどだ。せめてibmやsapの領域まで引き上げることができればと、
柔らかい表現でのアプローチを試みた次第である。

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by elnes | 2008-04-15 15:40 | ケーススタディ
2008年 04月 14日

顧客に語りかける人=商品カタログの表紙に登場するモデルの選び方

b2bの商品やサービスを人をたてて顧客企業にお薦めする機会や場所は様々だが、概ね
(1)対面で
(2)電話で
(3)広告で、の3つに分けることができる。
ここはもちろん(3)に限ってのことだが、そして知名度の高い有名人に語ってもらう手法を除けば、どんな人が最適なのか、つまり顧客企業にサービスを紹介しそのメリットを語ってもらう場合、どんな人が説得力を備えているのか、を考えてみたい。
この場合、人は2つのタイプが考えられる。
(a)広告企業の代表者や開発責任者
(b)ユーザ
このa、bはさらに、2種類の演出が考えられる。実在の人物、つまりリアルの場合とモデルの場合。前者の例としては、よくあるのが会社のボスを出して来るもの。しかしこれははたして有効だろうか。紙面からは自己満足と言う4文字が透けて見えて来るだけのように思える。たとえ社長→担当役員→開発部長→開発責任者と若返るだけでは、やっぱり絵としての魅力や説得力は感じられそうもない。もちろん、登場人物がモデルにひけを取らない存在感(絵になる素質)と奥行きのある演技力を備えている場合は例外だが。

そこで、少し(というよりも、かなり)古くなるが、そのオリジナリティやクリエイティブの高さでは、いつも持続するパワーを備えているsap japanの雑誌広告を並べてみたい。

◎sap japan の雑誌広告*

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*Harvard Business Review auguast 2003

いづれもモデルを使い、sapのサービスを採用した企業顧客のハッピネスを訴求した、非常に完成度の高い、従って見る者をその気にしてしまうパワーを持っているが、クリエイティブの視点から注目すべきは、共に情感豊かな表情の人物写真を添え物に、顧客の独白=コピーを主人公にしたところであり、ここに勝利の法則が潜んでいるということだ。絵とコピーの絶妙な強弱が、そしてバランス感覚が、この広告の成功のすべてと言っても過言ではない。
そして不思議なことに、こんなに魅力的なボスやチャーミングな女性など、都合よくいるはずがないというもっともな猜疑心も、優れたアートディレクションを前にすると意識下の闇の中にいつの間にやら消え去ってしまうことも、経験的に僕達は知っている。

さて、上記の基本を踏まえ、サービスカタログの表紙用に作ってみると、こうなってしまう。
◎elnes work

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◎商品(サービス):ホスティングサービス
◎商品概要:仮想化テクノロジを採用した新しいコンセプトのホスティングサービス。仮想マシンを自在に設置できるプラットフォームを提供し、システムの可用性と信頼性を格段に高めることができた。
◎クライアント
◎ソリューション:たとえば、1台の物理マシン上にweb serverからdb serberまで仮想マシン環境を柔軟に構築できる上、これらの仮想サーバは干渉されることなく、独立して稼動、また万が一の物理マシン障害時には、自動的に別のマシンにシステムの立ち上げも可能にするなど、冗長性にも優れている

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by elnes | 2008-04-14 20:55 | ケーススタディ
2008年 04月 09日

international business machines社風のクリエイティブ

一昔前、人は見た目が9割と言われていたが、最近はもう見た目で10割、つまり第一印象ですべてが決まってしまうらしい。ますます油断もスキもない世の中になってしまったようだ。初対面時、ペラペラ話したり、フムフム聞いたりするのとは別に、人の脳は他方で意外と原始的な(動物でいえば他の種族とバッタリ出会ったりした際のとっさの判断、つまりこいつは有害か無害かを瞬時に決定し次の、飛びかかったり、逃げたり、の行動に移るための判断を与える)部分がピコピコと活発に活動しているそうだ。この「種の進化」のなごりがヒト科といえども、第一印象で相手を食える奴とか食えない奴とか、決めてしまいがちなのである。

b-to-bのソリューション広告は、ユーザ・ハッピネスが決め手

ところで、見た目で決まると言えば、その最たるものの一つが広告。従って、その外見には気を使うものである。特に、b-to-bのit業界では新しいテクノロジ上で生まれる商品やサービスがほとんどで、これら新技術に依拠したサービスやソリューションを「絵説き」によって、つまり絵的に説明し、理解してもらおうとすると、複雑になったり、窮屈になったりで、外見までなかなか手が廻らない。少なくとも、「絵説き」よるアプローチは、見た目まで気を使う余裕を与えてくれない。
そこで、クリエイティブディレクターは考える。この分野での成功の鍵は、表現の落し所を「ユーザのハッピネス」とすること。そして、その「幸せ」をどうやってサービスに結び付け表現するかにかかっていると。言い換えると、顧客の笑顔の数だけサービス(つまり広告)の種類もあるはずである。
また、世界のit分野のリーディングカンパニーの多くがこの路線を追求しており、中でもibmのそれは、今日まで圧倒的で一貫した存在感を僕達に見せつけてくれている。ワールドワイドのためなのか、日本人的感覚には?のクリエイティブも中にはあったが、着地点はいつも顧客=成功する企業や成長を続ける会社と働く人々の幸福なのである。

◎日本ibm「スペシャルになろう。what makes you special? 」雑誌広告シリーズ

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※最近のi社は「スペシャルに」から新しいシリーズ「コントロールを取り戻せ。take back control」を展開中。相変わらずこのクリエイティブの切れ味も抜群。例えば少し前の雑誌・日経情報ストラテジーには「コントロールを」が、これでもかとばかりマルチ展開されていて、質の高さは競合他社を圧倒している。
※余談で恐縮だが、上記のアートディレクションで注目して欲しいのは、ここで使われているオレンジ(中)とシアン(右)。
このカラーのトーン&マナーもまた一流の証明である。おそらくこのイケてるadは悩むことなく、無意識の内にオレンジを指定し、次は当然のようにシアンを使ってしまったのではないか。参考までに僕の作品も並べておく。

◎elnes works

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そこで、企業イメージを高めるi社ライクなクリエイティブへの試み

アウトソーシング企業のネットワーク監視運用サービスカタログ制作にあたり、ユーザ・ハッピネスをテーマにしたイメージビジュアルの提案をさせていただく機会に恵まれたので、そのサムネールを事例として提示したい。

◎商品(サービス):ネットワーク監視運用サービス
◎商品概要:オペレーションログから障害情報まで、監視運用情報をポータルサイトからリアルタイムに提供しネットワーク監視の「見える化」と、一元管理を実現している。監視サービスのメニューも、顧客が自由に選択でき「必要な機能だけを最適は仕様で」提供するために、3つのラインアップで構成されている。
◎クライアント
◎ソリューション:当サービスの採用により、煩わしい監視業務からお客様を解放、マンパワーを本来の業務に投入できるため、結果的に情報システム部門の効率向上に貢献する。→顧客をハッピーに。
◎クリエイティブの方向性
・ サービスの特長である3つのラインアップをシンボリックに表現すること。
・ このシンボルと顧客の関係性をテーマにしたビジュアルを開発すること。

そこで、まず3つのラインアップのアイキャッチ化したもの。
最初のアイデアレベルだが、3つの引き出しとかボックスのようなイメージとして。

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次に、このシンボルをフューチャしたサムネールを3種類作成したのがこれ。(写真はレンタル)
・ a:i社風なサービスがわが社にもやって来た編
・ b:サービスが地上に舞い降りる編(新しさ、登場感訴求)
・ c:3つのラインアップを主人公にすると編

◎案a:サービスがわが社にもやって来た、i社風な編


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使う直前の、顧客が幸せになる一歩手前の顧客と商品の関係をユーモラスな表情で表現。役員から若い社員まで整列して、仰々しく当サービスを出迎えています。「成長する企業が選ぶ・・・」のコピーから、かれら4人組は成長する企業の人であることがわかります。このカタログを手に取った情報システム部門に勤める担当者も、従って「これは自分の会社に関わること」だと理解し、ページを開くことになります。

◎案b:サービスが地上に舞い降りる編  ◎案c:3つのラインアップを主人公にすると編

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なお、結果的にはこれらa、b、cともにNGとなった。訴えるべき優先順位をよく理解していなかったためだが、個人的にはaは、i社風に近づいたような気がするのだが、どうだろうか。
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by elnes | 2008-04-09 23:50 | ケーススタディ
2008年 04月 08日

プレゼンテーション2つのアプローチ


◎商品(サービス):到達性を保証してくれるeメールソリューション
◎商品概要:今日、ビジネスの現場ではひと時も手放せなくなったeメールだが、きちんと相手に迷うことなく、届きかつ読まれているのかをいちいち確認しないままに、多分読んでくれてるだろう程度の淡い期待を勝手にメールに寄せているのが現状である。
このメールにまつわる不確実性を取り除き、リアルタイムでも記録としてもend to endで追跡、時刻認証などの配達記録を確認できるというのが、このサービスの大きな、そして初めての魅力である。
◎商品スローガン:「新しい時代の安全で信頼性の高いメール環境を実現」(付与)
◎クライアント


180°の相対する角度から考える2つの表現アプローチ

このeメールサービスのリリースにあたりチラシを作ることになり、デザイン案としてa、b二つを提案をすることになった。どちらも顧客メリットを訴求するための表現案としてだが、結果的にa、bのどっちが採用されたのか、おわかりだろうか。
前提として(僕の場合プレゼンの基本だが)a案は可能な限り要素をそぎ落とし、シンプルで象徴的な構図とアートとしての完成度を狙ったものであり、これとは対照的にb案はクライアントの要求を可能なかぎり取り入れ、同時にそれら商品(サービス)メリットを絵的にも説明し、ストレートな訴求効果を追求するものとなる。
aとbは必ずしも対立する手法ではないが、基本的にはシンボリックな表現 vs 絵解き(説明的)表現として、相対化されることが多い。今回の場合も同様である。

◎アプローチa:
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1)一日の仕事が終る頃、夕闇が迫る都市の上空に浮遊する白い封筒―というのが基本のイメージ
2)この手紙に書かれているメッセージ「そのeメールは、17:55に開封されました」
3)そして、これを補強するキャッチコピー、
「今までなかったのが、不思議です。メールの到達性をきちんと保証するサービス登場。」
この3つの要素でメインイメージを構成。
また、イメージを作る上で次のキーワードに留意することに。
「先端のビジネス、eメール、業界初、登場感、時代の流れ」
※「そのeメールは、17:55に開封されました」はダミー

◎アプローチb:
これに対してb案は、主張したいことがいっぱいあるeメール環境の問題点や課題を並べる手法を採用。
上空を浮遊するたくさんの封筒がそれぞれ、ワイワイガヤガヤいろんなことを言い、ユーザの共感を獲得しましょうと言うもの。
当初この絵を補強するキャチコピーとして

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としたが、不安を訴えることで注目を引かせるのは、かつてコンドリーザ・ライスが「やがて我々は巨大なきのこ雲がN.Y上空に現れるのを見ることになるだろう」とありもしないイラクの核兵器をデッチ上げて不安を煽り、国民を脅迫して戦争に動員した汚いやり方と同じ手法ではないかと思い直し、

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とブレイクダウンしたつもりだが、またこのコピーだけを見ると、端的でまとまってはいるのだが、aと比較してbをbたらしめる「ワンクッションおかずにストレートに訴求する」立場がまだまだ弱いように思え、結局ストレートすぎるほどストレートなコピーに落ち着くことになる。

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せめぎ合う2つのアプローチ

アートディレクションの立場から、お薦めするのは当然のことながらaである。
デザインの構図がシンプルでシンボリックであり、加えてコピーは赤裸々さがワンクッション置いた最初の一行で覆い隠され、堂々としたトーンでまとまっている、つまりデザイン+コピーのマナーの高さ=商品イメージの高さをもプラス・アルファとして付与しているように思われる。
bはその逆かと言うと、そうでもないが、上に挙げたポイントで比較すると、明らかに低いと言わざるをえない。問題は、bがこれらのマイナスを引いてしても余りある強さを備えているか、ということにある。
顧客の目線でみると、どうだろうか。
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by elnes | 2008-04-08 18:40 | ケーススタディ