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2008年 04月 26日

自らのそれとは、180度も彼方にあったリーダーの資質

買収した英国の子会社から次期社長を迎えてしまった日本企業

つい2~3日まえの新聞に、新社長を買収したイギリスにある子会社から迎えるという英断?を下した日本企業のことが載っていた。(日本経済新聞 apr24,2008)記事を読んでみると、何と買収された側は、買収を仕掛けた日本企業よりもかなり大きい会社だったそうだ。でも、会社の大小に興味があるのではなく、これからますます厳しくなる(という枕詞が、いつになっても付いてまわる)グローバルなビジネスの舵取りとまかせられるような逸材を、子会社の、それも海外から見つけて来たということにある。

当然、日本企業としても、それなりの人材は豊富に、しかも次はこの人かあの人、次の次は彼らボードメンバーの中から・・・・などとしっかりとした人事構想もあり、戦略的にも半ば固まっていたであろうことは想像に堅くはない。一旦それらをなかったことにして、いきなりイギリス人がやって来たとなると、このイギリス人はかなりの優れものに違いないのだろう。

b0135738_19164536.jpg◎西武百貨店 新聞広告1993年
(TCC広告年鑑1993 p121)

今までのことはなかったことにしようっと。

15年も前のTCC年鑑から引っぱりだして恐縮
だが、失敗したり、人生がうまく行かない時に、
心の癒しを求め、こっそり眺めていたサン・アド
が作った大好きな作品の一つ。今でいう「人生
をリセット」広告。
それを何故、デパートが広告したのかは、依然
としてナゾである。


ところで企業を取り仕切り、その目標実現に向かって社員の指揮をとるリーダーとは一体全体どんなに優秀で、どんなタイプの人間なのだろうか。指導者やリーダーとはまったくの正反対に位置し、もっぱら付和雷同分子として自他ともに認める僕にも、な~んだ、そういうことだった訳ね?!とナットクのリーダー資質の見分け方をある雑誌にみつけておいたので、ちょっとご紹介してみたい。

伸ばして、減らして、抑える。これがリーダーへの正道

以下は、去年の今頃発行の雑誌Think(spring 2007 no.21)「幹部候補のための行動トレーニング」からの抜粋。
リーダーとして身につけるべき、あるいは抑えるべき行動を「リーダーシップ・スタイル・インベントリー」と題して紹介している。まず、リーダーには伸ばすべきものと減らすべきもの、そして抑えるべきものと、三種類の基本的な行動分野があるそうだ。ここでポジティブな行動が1に対してネガティブが2と、二倍もあることに着目しておこう。何やら、リーダーとは発揮することよりも、自制することの方が大切らしいことが何となくわかってくる。そして、これらの3種類の行動分野にはそれぞれ4つの具体的な行動指針が展開される。

で、最初に(A)伸ばすべきもの=建設的行動とは何かと言うと、1)人間尊重:人に興味を示し、人を思いやり、人の向上を後押しすること。つまり、人を批判することなく、ありのままを受け入れる。人は成長できるという信念を持ち、人に対する無条件の好感と許容性を持っていること。また、他者の可能性をのばすためにサポートにも積極的であること・・・などなど。いきなり最初から読者を崇高な宗教的な境地へと導いてくれる。次に2)協調、3)自己実現、4)達成と続く。字面からはよく目にする熟語でしかないが、その中身となると、その行動レベルの厳しさは半端ではない。例えば2)協調の項目では「人間関係の形成&維持に献身的な努力ができること。則ち他者との親しい関係を求め・・・・社交的で自分の考えや気持ちを気楽に人と共有可能になること」とある。ここでも、自分のことさえ満足な処置ができない僕には気が合う人だけとならまだしも、様々な人柄の他人との関係構築に献身的な努力を続けるなんて、それはもう、ありえないとしか言い様がない。

更に苦難の道は続く。2番目の(B)減らすべきもの=受身的行動には5)迎合、6)慣例重視、7)依存、8)回避の4つが。3番目の(C)抑えるべきもの=攻撃的行動としては9)対立、10)権力志向、11)競争、12)完全主義と、それぞれ意味する内容が高いレベルで淡々と記述されている。これらのB&Cで求められるのは、組織にはびこりがちな罠に自ら陥らないことだと自制することの重要さを寄稿者は説いている。これらが説得力を持っているのは、世の中の規範や企業に注がれる眼差しが、企業経営に対してますます厳くなっていて、めくりめくって結局はリーダーの資質に行き着いてしまうからではないだろうか。それも、これまでの実績などという貢献度だけでは済まされない、それとは別の物指しを社会は要求するようになったからではないか。

不思議と近くに一人二人はいる、12の行動指針をクリアしてしまっているような人が。

自慢ではないが僕の場合、B&C分野は全滅だ。この分野に関わることで特に常々指摘されるのは「意見の異なる相手に対してフェアな態度」を取れないことだそうだ。・・・だそうだ、と言うのはまったく自覚したこともなく生きて来たからで、今後もこの不幸は死ぬまで付いてまわるだろう。もちろん、(A)伸ばすべきもの=建設的行動でも、上述したように大の苦手な分野だが、実はちょっとだけ、擦っていそうな項目がないでもない。それはA-3)自己実現。この項目も天をあおぎ見るような内容ばかりで、例えば「人の生きる意味を理解し、人生の目的を明確に持ち、その目的の実現のために柔軟でクリエーティブな努力をする」などと、まるで聖人君主の域に到達しそうなレベルなのだが、こういう行動をとる人は「常識にとらわれないものの見方をし、型にはまらないユニークな生き方をする。健全な自尊心を持ち、さまざまなものに対する幅広い関心と強い好奇心を示す」とある。実に素晴らしい人生だ。で、擦っていそうな所は「型にはまらないユニークな生き方をする」という部分。ここだけは、自信を持って自分のことだと、自慢できる。常識に欠けるユニークさと言われると、それはそれで反論のしようがないことだが。

そんなこんなで、この「リーダーシップ・スタイル・インベントリー」は、なかなかのものだが、かと言ってそこでの12の行動指針はまったくの荒唐無稽かと言うと、不思議なことにマスターしてしまっているような、自分に厳しくても他人にはやさしいような、とても普通の人にはできそうもないことをやりぬく持続する志も、抱擁力もありそうな人が、周りには一人、二人はいるものである。そして、そんな人に会ったりすると、その度どうしたらその人格をゲットできるのか、実にうらやましくもあり、考えてもしまう。

そんな訳で、上昇志向の強い諸兄はぜひThinkのバックナンバーを探して、一度自らをチェックしてみてはどうだろう。
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by elnes | 2008-04-26 23:51 | スペシャル