恋するデザイン図鑑

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2008年 04月 08日 ( 1 )


2008年 04月 08日

プレゼンテーション2つのアプローチ


◎商品(サービス):到達性を保証してくれるeメールソリューション
◎商品概要:今日、ビジネスの現場ではひと時も手放せなくなったeメールだが、きちんと相手に迷うことなく、届きかつ読まれているのかをいちいち確認しないままに、多分読んでくれてるだろう程度の淡い期待を勝手にメールに寄せているのが現状である。
このメールにまつわる不確実性を取り除き、リアルタイムでも記録としてもend to endで追跡、時刻認証などの配達記録を確認できるというのが、このサービスの大きな、そして初めての魅力である。
◎商品スローガン:「新しい時代の安全で信頼性の高いメール環境を実現」(付与)
◎クライアント


180°の相対する角度から考える2つの表現アプローチ

このeメールサービスのリリースにあたりチラシを作ることになり、デザイン案としてa、b二つを提案をすることになった。どちらも顧客メリットを訴求するための表現案としてだが、結果的にa、bのどっちが採用されたのか、おわかりだろうか。
前提として(僕の場合プレゼンの基本だが)a案は可能な限り要素をそぎ落とし、シンプルで象徴的な構図とアートとしての完成度を狙ったものであり、これとは対照的にb案はクライアントの要求を可能なかぎり取り入れ、同時にそれら商品(サービス)メリットを絵的にも説明し、ストレートな訴求効果を追求するものとなる。
aとbは必ずしも対立する手法ではないが、基本的にはシンボリックな表現 vs 絵解き(説明的)表現として、相対化されることが多い。今回の場合も同様である。

◎アプローチa:
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1)一日の仕事が終る頃、夕闇が迫る都市の上空に浮遊する白い封筒―というのが基本のイメージ
2)この手紙に書かれているメッセージ「そのeメールは、17:55に開封されました」
3)そして、これを補強するキャッチコピー、
「今までなかったのが、不思議です。メールの到達性をきちんと保証するサービス登場。」
この3つの要素でメインイメージを構成。
また、イメージを作る上で次のキーワードに留意することに。
「先端のビジネス、eメール、業界初、登場感、時代の流れ」
※「そのeメールは、17:55に開封されました」はダミー

◎アプローチb:
これに対してb案は、主張したいことがいっぱいあるeメール環境の問題点や課題を並べる手法を採用。
上空を浮遊するたくさんの封筒がそれぞれ、ワイワイガヤガヤいろんなことを言い、ユーザの共感を獲得しましょうと言うもの。
当初この絵を補強するキャチコピーとして

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としたが、不安を訴えることで注目を引かせるのは、かつてコンドリーザ・ライスが「やがて我々は巨大なきのこ雲がN.Y上空に現れるのを見ることになるだろう」とありもしないイラクの核兵器をデッチ上げて不安を煽り、国民を脅迫して戦争に動員した汚いやり方と同じ手法ではないかと思い直し、

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とブレイクダウンしたつもりだが、またこのコピーだけを見ると、端的でまとまってはいるのだが、aと比較してbをbたらしめる「ワンクッションおかずにストレートに訴求する」立場がまだまだ弱いように思え、結局ストレートすぎるほどストレートなコピーに落ち着くことになる。

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せめぎ合う2つのアプローチ

アートディレクションの立場から、お薦めするのは当然のことながらaである。
デザインの構図がシンプルでシンボリックであり、加えてコピーは赤裸々さがワンクッション置いた最初の一行で覆い隠され、堂々としたトーンでまとまっている、つまりデザイン+コピーのマナーの高さ=商品イメージの高さをもプラス・アルファとして付与しているように思われる。
bはその逆かと言うと、そうでもないが、上に挙げたポイントで比較すると、明らかに低いと言わざるをえない。問題は、bがこれらのマイナスを引いてしても余りある強さを備えているか、ということにある。
顧客の目線でみると、どうだろうか。
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by elnes | 2008-04-08 18:40 | ケーススタディ